電化製品


 アメリカは電化製品が古い。 日本から 10 年は遅れていると思える。

 どの位古いかというと、例えばテレビを買いに行くと、 日本ではあり得ない曲率のブラウン管のテレビがたくさんある。 日本では、 SONY から 完全に平面のテレビ が出てきているが、 一般的なのは、横方向には平面だが縦には湾曲しているブラウン管だろう。 しかし、アメリカのテレビは、縦にも横にも湾曲している。 しかも曲率がかなりキている。ものすごい丸みである。

 こんなのはまだまだ序のクチで、 例えばレコードはさすがに売っていないが、 (アルバムの内容が録音された)カセットテープは普通に売っている。 日本では、こんなものは 10 年以上前に無くなったと思う。 きっと、今の大学生位だと、カセットに音が入った状態で売っていた、 なんていう事を知らない人も多いのではないだろうか ?

 テレビでは SONY が MD の CM をやっているが、 売っているところを見た事が無い。と思ったら、 Globe City というアウトレットモールの SONY のショップで、 1 つだけ展示してあるのを発見した。 その MD も、値札も無ければ、電源も入っていないという、 まさに、

参考展示品

みたいな雰囲気である。 そもそも、そこで MD を買っても、 録音する手段が無いので、買う人間がいるはずも無いが...

 ノートパソコンもなかなか凄い。 Comp USA とかの PC ショップに行って見てみても、 (日本ではあまりやる気のないコーナーに置かれがちな) 分厚くてデカくて重いノートしか展示していない。 ... と思ったら、こちらも先日 SONY の Vaio 505-G が入荷していた。 周囲のノートがデカいだけに、異常に小さく感じる。 きっとアメリカ人は、 「おいおい、こんな薄かったらすぐ壊れちまうぜ」 などと思っているのだろうが、 実際、アメリカ製品はすぐ壊れるので、 自分達の低レベルな生産技術を

俺達が世界標準だ

と思い込んでいるという、 いかにもアメリカ人的な勘違いと言えるだろう。

 アメリカ人は、とにかくデカくて頑丈なものが好きだ。 そうでなければ、あんなにピックアップが売れるはずがない。 前述の Globe City の SONY ショップを見ると、 大きくてカッコ悪くて低性能な安物の製品がたくさん並んでいる。 さすが SONY 、相手のレベルに合わせて製品を作っているのだろう。 あんな製品、日本で売ったらイメージぶち壊しである。

 こちらに来てから安物のラジカセを買ったのだが、 これはなかなかビックリであった。 ヘッドホンの端子等、一切のコネクタ類は存在しないのである。 日本では、どんな安物でもヘッドホンは接続できると思う。 また、 CD のフタやカセットの取り出し口など、 全て手動である。「手動」と言っても、 バネでパカッとか開いたりしてくれるような気のきいた手動ではない。 手でフタを掴んで、ガバッと開けるのである。

 さらに、テレビは 20 型の安物を買ったのだが、 20 型だったら画面サイズもそこそこだし、 まずまず不満は無い.... はずだった。 が、「さ、 Pley Station でもやるか」と思ったら、 AV 端子が無い !! というか、何も無い !! 「何も無い」というのは、 テレビの表には、チャンネルとボリューム、 それとオプション切替え ( 字幕表示機能等 ) のスイッチ、 この 5 つのボタン以外には何も無く、 さらに裏は、同軸ケーブルのコネクタが 1 つある *だけ* なのである。 私は、今までの人生において、

裏側がこんなにツルツルのテレビは初めて見た。

仕方無く、 Play Station を接続するだけの目的で ビデオデッキを購入するという、 全く無駄な買いものをしてしまったのであった。


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