よく「アメリカだと、高速もタダだし、走ってて気持良いでしょ」 というような事を言われたりするが、これは大きな勘違いである。 アメリカの道は、非常に悪い。 たとえば、ある地区には石畳の道があったりする。 これは、まぁ趣きもあるので、走りにくくても我慢できる。 が、走っているとその石畳が唐突に終わったりする。 明らかに、
一般道のみならず、高速道路の道も悪い。 というか、良い悪いのレベルに達していない。 アスファルトで舗装されている道よりも、 コンクリートそのまんまの道の方が多い気がする。 まぁ、この辺りは、行政区画の変わり目が道の変わり目なので、 ピッツバーグが貧乏なだけという話もあるが、 おそらく、元々アメリカでは高速 = フリーウェイという考えなので、 日本のように道路公団が 「金を取っているから、少しでも文句を言われないように」 と考えているのとは根本的なレベルが違うのだろう。 要は、「道が存在すれば良い」という感覚なのだと思う。
高速道路の工事も多い。 アメリカの場合、工事は土日にやるらしい。 おかげですごい渋滞になる。 日本でも工事渋滞は多いが、日本の場合はアナウンスをしてくれる。 はっきり言って、道路公団のサービスは素晴らしいと思う。 たとえば、電光掲示板なんかで表示してくれるが、 あれが無いと、どうしようも無い。 先日の事だが、ピッツバーグの中心から空港へ向かう高速がひどく渋滞していた。 だが、何だかわからない。ので、ただひたすら耐える。 もちろん、交通情報のラジオなど存在しない。なぜなら、 「アメリカ道路公団」のような集団がいないからである。 耐えに耐えて、普段は 15 分のところを 3 時間かけて進んだ。 ピッツバーグは山に囲まれているので、 トンネルを抜けるのだが、そのトンネルの入り口で絶句した。 次の出口から先は、工事で封鎖されているという内容が、 *臨時の電光掲示板* で表示されている。
高速道路でもスピードを出せない。 スピード違反は立派な違法行為なので、 あまりどうこう言うのもナニだが、 日本では、「 20km オーバー程度は見逃してもらえるだろう」 という暗黙の了解というか、まぁそういう雰囲気がある。 アメリカのフリーウェイの場合、制限速度は都市部では 55Mile/h 、 ちょっと都市から離れると 65Mile/h の場合が多い。 メートル法に直すと 80km/h と 100km/h というところだろうか。 つまり、日本とほぼ同じである。 その先の、「見逃してもらえるだろう」速度が、 日本より若干厳し目であるが、10Mile/h ( 約 15km/h ) オーバー程度なら、 *多分* 大丈夫である。 (あくまでも「多分」である。実際には捕まる場合もある。 日本の「多分大丈夫」よりはかなり危険である。 ) こう書くと、「じゃ、日本と同じじゃーん」と思うだろうが、 道路事情が全然違うのである。 アホみたいにガラガラの直線の高速道路で、 120km で走るバカバカしさは、経験しないとわからないと思う。 もちろん、オービスなんて気のきいたものは存在しない。 パトカーが隠れているのである。 私の感覚では、 ( 日本のオービス + 覆面パト ) x 3 程度の パトカーが隠れている気がする。 あんなにパトカーがいるなら、
ちなみに先日ナイアガラに行った時に往復で 800km 程度走ったのだが、 その間に、パトカーに止められている車を 5 台程度、 パトカーに止められる瞬間は 2 台見た。 1 件目は、「前の車は 2 台で妙にくっついて走っているなぁ」 と思って追い越そうと思ったら、そのうちの後ろの車で何かが光っている。 よく見たら覆面パトカーで、その前の車を止めるところだった。 私が反射的にブレーキを踏んだ事は言うまでも無い。 2 件目は、 *たまたま* 制限速度ピッタリで走っていて、 隠れているパトカーを見つけたのだが、 2 分後には、すぐ後ろの車が捕まっていた。 が、自分の速度との相対速度で推測すると、 せいぜい 20Mile オーバーだったと思う。 まぁ、こういう文化の中だからこそ、 オートドライブが普及するのだろう。 実際、オートドライブはなかなか便利である。 ナイアガラに行った時には随分と楽をさせてもらった。
アメリカはドライバーも最悪である。運転が下手すぎる。 アメリカの一般ドライバーのレベルは、 日本の教習車レベルと思っていただきたい。 ( ただし、 NY のドライバーは大阪レベルであるし、 都市間による違いは大きい。実際、州によっては、 他州の免許保持者であっても、 自州の免許を習得する事が推奨されるらしい。) 彼らは、日本のように、周囲の状況を見て以心伝心のようにして走る、 という事は全くできない。 自分の思うがままにウィンカーも出さずに車線変更したりする。 ウィンカーを出しっ放しで走っている車なんて、 ピッツバーグ市内の高速道路を走れば、 (誇張ではなく、本当に) 10 分間に 1 台位のペースで見かける。 おかげで、ウィンカーをどこまで信用して良いのかわからない。 だから、はっきり言って国際免許証なるシステムはおかしい。 日本の免許証を
アメリカの道路交通法(って言うのかな?)もまったくもって謎である。 まぁ、赤信号で右に曲がれるとか、全方向一時停止とか、 けっこう便利なルールもあるのだが、 高速道路の入り口に関しては危険なだけでメリットが何も無いように思える。 たしか日本では 「最初に徐行で合流車線に入って、 加速しながら車の流れにのってズムーズに入りましょう」 なんて習った覚えがあるが、 アメリカでは、本線に合流するポイントに
最後に、ガソリンについて書いておく。 「アメリカはガソリン安いでしょ ? 」というのも決まり文句だが、 これは正確な表現ではない。正確には、
車に限らず、全般的に、 「日本は物価が高い」という固定概念は日本人に多いと思うが、 実際には、「日本は高級品が多い」という感じがする。 アメリカでは大抵の物は非常に安いのだが、品質も非常に悪い。 こういう事は、ちょっと旅行で来ていたり、 「語学留学」とかいう名目で、 大都市に遊びに来ているようなアホ日本人共にはわからない事だろう。 アメリカに興味のある人やアメリカかぶれの人がいたら、 アメリカの田舎の州に住む事をお勧めする。 必ず、日本の良さを再認識できるはずである。